阿波藍で代謝アップ 四国大、藍の脂肪減少効果、糖尿病予防効果を実験で確認

徳島県では、産学官で「阿波藍」のブランド化を推進している。その一環として取り組まれているのが、藍の機能性研究だ。四国大学生活科学部の近藤真紀教授らの研究チームは、糖尿病のラットを使った実験で、阿波藍の葉に体重増加の抑制効果や血糖値の改善効果があることを突き止めた。

徳島県は、代表的な天然の染色材として知られる藍の生産量日本一を誇る。「阿波藍」のブランド名で親しまれ、徳島県の産業の屋台骨となっていたが、化学染料の浸透に伴い、生産量の減少が続いていた。古くから薬草として珍重されてきた歴史のある阿波藍の機能性に着目し、地域活性化を図ろうとしている研究者の一人が近藤教授だ。

「薬用植物として知られる藍は、中国や日本に昔から伝わる薬学書に記されている。解熱、抗炎症、抗菌、抗ウイルス作用があるとされるが、科学的根拠が示されていたわけではない」と、近藤教授は解説する。

近年、藍には抗酸化作用のあるポリフェノールやトリプタンスリンという抗菌物質が含まれていると各地で報告されるようになってきた。近藤教授は、「学園祭で藍を使ったパンケーキを作りたいと思い、付加価値アップのために機能性研究をスタートさせた」という。2015年からこれまでの研究で、体脂肪や中性脂肪の減少効果が確認されている。

今回、近藤教授らの研究チームは、2型糖尿病のラットを用いて藍の健康効果を検証した。20匹のラットを10匹ずつ、藍の葉の粉末を1%加えたエサを与えるグループと、藍の葉を加えていないエサを与えるグループに分け、6週間後に体重などを測定するという内容だ。

その結果、藍の葉を添加したグループは、藍の葉を添加していないグループに比べて体重が約55㌘(約10%)軽いという結果が得られた。インスリン濃度の上昇とともに、エネルギー代謝の改善が確認されたそうだ。実際に、血糖、血中脂質は減少していたという。

「藍の葉に含まれるポリフェノールを分析した結果、ケンフェロール、インディルビンが多く含まれることがわかっている。これらのどちらかによる効果なのか、両者による効果なのか、あるいは未知のポリフェノールが関与しているのか、今後検討していくことになる」と、近藤教授は今後の展開を見据えている。

日本の藍染めは明治時代以降、インド藍の輸入、ドイツで開発された合成藍の輸入によって、急速に衰退して生産量も減少していった。そうした背景の中、徳島県では、伝統文化を守るべく、数少ない生産者の尽力によって阿波藍の栽培は続けられてきた。2020年東京オリンピック・パラリンピックエンブレムのシンボルカラーに日本の伝統色である藍色が採用され、「Japan Blue」の藍は世界的にも注目される存在となりつつある。藍の新たな価値を示す好機といえるだろう。

近藤教授は、「藍染めなどの伝統文化のほか、健康という藍の新たな価値を発信しながら、最終的には糖尿病など生活習慣病の予防や改善に役立つ食品を開発したい」と話している。

 

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